ロシアW杯アジア最終予選 日本代表vsタイ「改善されたが物足りない。変化はあったが、評価がしづらい。」

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報道では崖っぷち、崖っぷちと大げさな報じられ方でしたが、負けたらいろんな意味にでアウトな一戦でした。

 

前回のUAE戦で見るべきポイントを挙げていたので、そこを掘り下げてみようと思います。

タイ戦の見るべきポイント3つをおさらい

UAEとの試合のレビューでは3つのポイントを書きました。

 

 

おさらいしておきます。

  1. 中央へ中央へと選手の意識が偏っていないか
  2. ロングキックをよく蹴っているか
  3. 長谷部選手はいい意味でボールを大切に扱わずにプレーしているか 

 つまり、

  1. 外からシンプルに攻めて
  2. サイドへ、裏へロングキックをよく蹴り
  3. 長谷部選手がチャレンジしている

 この3つのポイントでした。

 

では1つ1つ見ていきましょう。

 

1、攻撃は中央に偏らずにシンプルに外から攻めれていたか

「中央突破が悪い。」

「狭いところへわざわざ行くな。」

 

ということではありませんが、

 

固執し、偏るといい攻撃はできません。

相手も慣れてくるし、「こうじゃないいけない」という柔軟性の欠けた態度は試合の流れを引き寄せられません。

 

この試合は本田選手が「まずは中央」ではなく状況をよく見ていて、UAE戦よりも外へポジションを取ることが多かったです。

ミランで存在感を示すためにチームのために外へ中央へ頑張って走る姿を思い出させるプレーぶりでした。

UAE戦は気負いが空回ってったぽい。)

 

原口選手は、クラブでゾーンで守る守備を軸にポジションニングに関して相当鍛えられているので、ポジショニング力は岡崎選手に次いで高い選手です。

 

外にいるから中央に移動した時に相手のマークがズレるし、その動きによってサイドバックに時間とスペースを与えることができます。

 

面白みは欠けるけど、UAE戦よりもシンプルにサイドを使えていました。サイドバックのW酒井のストレスの感じ方が違うようにも見えました。

 

2、ロングキックを有効活用できていたか

サイドチェンジのロングキックの頻度はそれほどな感じでしたが、FWの裏へ蹴る回数は明らかに増えていました。

 

吉田、森重、長谷部、山口の4選手は、かなり意識を割いてたように思います。

 

後述しますが、浅野選手のゴールの長谷部選手のアシスト。

 

クリアのキックとはいえ、

「浅野は裏に走れる。」

「裏にボールを蹴るぞ」

という心の準備があったからこそと思います。

 

中央でボールをこねることが前提にあれば、いくら意識の高いFWでも、「少し下がってビルドアップに参加した方がいいか?」と考えるでしょう。

 

浅野選手の特徴からしても、裏へボールを送ってあげた方が活きます。彼から「下がる選択肢」をできる限り削り、得点を奪うマインドをセットしてあげることがチーム全体でできていたように思います。

 

3、長谷部選手はアグレッシブにプレーできていたか

相方が山口選手だったというのもありますし、「やばっ、、、、」というミスをしながらも、味方に声をかけ、はっきりとしたプレーをしながら、メリハリのあるプレーをしていました。

 

UAE戦では大島選手を気遣い、チームのうまくいってない感の中で、思い切ったプレーができていませんでした。

 

いつもチームの流れや個々のポジションを見て、気の利いたプレーをする長谷部選手ですが、ドリブルもシュートもディフェンスもアグレッシブにいってる時の方が輝いています。

 

個人的には日本代表のときより、ドイツでリーグ戦でバチバチ闘っている長谷部選手が好きです。

 

山口選手のような、どっしり構え、攻撃的にDFをするという個性の相方が合うように思います。

 

日本代表では役割はあると思いますが、もっとハツラツとした長谷部選手を見たいなーというのが個人的な思いです。

 

3つのポイントは良くなっていたが。。

さすがの日本代表戦士たちですから、UAE戦からグッとチームの方向性が揃っていたように思います。

 

ハリルも相当に反省したのではないでしょうか。

 

しかしながら、タイいう格下相手に2-0は物足りないです。

タイもホームでやるってことで、めちゃめちゃ頑張ってました。いいチームでした。

 

でも、物足りないですね。

 

特に奪われた後のDFに関しては、外されまくっていたので、大きく改善しないと、強豪国とやったときに余裕でカウンターかまされます。

 

ただね、これが難しいんだわ。

 

攻撃してるときはポジションを崩しますから、奪われた瞬間は味方の位置関係はバラバラなんですよね。

 

だから、刹那的に判断して、危険なコースを切りつつ、味方の場所を確認してボールを持ってる相手選手に襲い掛からないといけません。

 

それを叩き込み、熟成させるのはクラブチームでも難しいです。

 

僕も社会人チームの指導やってますが、攻守の切り替えのオーガナイズが一番難しく感じています。

 

いわゆる戦術メモリーというのが蓄積されていないと、その瞬間の判断は崩せないです。頭で考えてやれるようなことではないので。

 

サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である

サッカーの新しい教科書 戦術とは問題を解決する行為である

 

 

攻撃面に関しては、

  • 縦パスの精度
  • コンビネーションの細かいパスの精度
  • クロスの精度

自分たちがボールを持ってるときのやろうとしてることは見えるけど、精度が足りないという感じでした。

 

技術がなければできないことはたくさんあるのですが、それを踏まえてアグレッシブな守備でボールを奪い、カウンターやカウンター返しをハリルは狙っているはず。

 

急にサッカーは上手くなれないし、世界のディフェンスを破壊するほどの攻撃力のある選手は悲しいかな日本代表にはいないので。。。

 

宇佐美、香川、原口、浅野、はもっとやれると思います。

チャレンジする舞台を用意してあげればワールドクラスの選手ともいい勝負すると信じいていますが、日本代表はまだまだ「ジャイアントキリングのメンタリティ」でやってるから、しゃあないですね。

 

だからこそ、アジアでは「俺らは、強い。」と堂々と戦いつつ、世界と距離を縮めるためのサッカーをやって欲しいもんです。

 

10月の2試合が楽しみになってきた!

代表のチームづくりは難しいです。

 

が、

 

きっと課題を持ち帰ってなんとかクラブで消化しようというのが日本の選手達だと思います。

 

「アグレッシブに前からDFをするための戦術メモリー」を少しでもいいから蓄積しようという姿がリーグを戦う代表選手たちから伺えるんじゃないかなと思います。

 

どうしても日本人プレーヤーは海外の中堅クラブに所属するので、アグレッシブに守るというよりは、後ろでブロックを作るチームが多いと思いますが、対戦相手から盗んだり、局面の体験を知恵に変えてくれるはずです。

 

10月の試合は

 

10月  6日 vs イラク(HOME)

10月11日 vs オーストラリア(AWAY)

 

です。

 

今よりも洗練された、

 

アグレッシブなディフェンス縦に速い攻撃が見られるんでしょうか。

 

代表の試合を楽しみにしながら、リーグ戦で闘う姿を追いかけてみようと思います。

 

 

 

このブログは日本代表がW杯で優勝するまで続きます。